2019/06/03 16:42
フィリピンといえば、どんなイメージをあなたは思い浮かべますか?
7,000以上の島からなるフィリピンは、植民地以前の文化を受け継いだ少数民族が今も暮らし、さまざまな言語が存在する多様性を秘めています。
彼らは誇りを持ち、自ら受け継いできた手仕事を今に伝える、フィリピンでも数少ない人々です。
一方で典型的なフィリピンの地方部にも、今もわずかに残る手仕事があります。
あまり日本では紹介されることのないフィリピンの手工芸を起点に、彼らのところへ行く道のり、生活、自然や災害との付き合い方へ。
現代の日本に生きる私たちが知ることで、サスティナブルな本質を学びとってゆく試みをします。
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6/23(日)
パタゴニア 横浜・関内 コミュニティスペースにて
(JR/横浜市営地下鉄 関内駅から徒歩10分、地下鉄みなとみらい線 日本大通り駅から徒歩2分)
https://goo.gl/maps/dQXE3GKDucM2
・常設:11:00〜14:00、15:30〜17:00(無料)
EDAYA/四畳半商店/MOON NEST、フィリピン手工芸の物販
スパイシーなフェアトレードジンジャーティーのドリンク販売
・トークイベント:14:00〜15:30(1,500円)
植民地支配が色濃く残ったフィリピンに残るルソン島の南端・ソルソゴンのパンダンの葉などからつくられるバスケットから、ミンドロ島の先住民であるMangyan族のニトという蔓で編んだ、代々受け継いだデザインや自然観を表現したパターンのバスケット、北ルソン島の山深い村に暮らすカリンガ族の竹の楽器の持つ叡智を今につなぐアートやデザイン。
それぞれに違う形、場所、言語、自然環境を通して、多面的なフィリピンの一端を探ります。
また近年の気候変動による台風の増加が、いかに彼らの生活へ影響をもたらしているか。
日本であまり伝えられることがない、フィリピンの側面をそれぞれの発表者からお伝えします。
発表者:百々 幸雄(四畳半商店)、山下 彩香(EDAYA)
ファシリテーター/発表者:出口 麻紀子(MOON NEST)
※トークイベントご参加希望の方はPeatixからお支払いの上、お越しください。
クレジットカードをお持ちでない方は直接メッセージをください。
※キャンセルポリシー:3/13までにお伝えください。3/14〜16は50%、当日キャンセルは全額お支払いいただきます。
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チケット購入:https://yamatoteshigoto.peatix.com/?lang=ja
プロフィール:
・百々幸雄
四畳半商店 店主
デザインを学び、家具職人として働いたのち、青年海外協力隊に挑戦。
派遣されたフィリピンでは公立高校での家具製作の指導やココナッツシェルクラフト事業の支援など、ものづくりの支援活動に計3年間携わる。
これをきっかけに、知られざるフィリピンの手仕事に出逢い、その魅力を伝える四畳半商店を2017年に始める。
日本の暮らしを土台に他国の手仕事を織り交ぜた、四畳半茶室のような空間・思想を軸に、暮らしの道具を製作・販売している。
フィリピン・ミンドロ島の先住民族の手仕事の編みカゴや、山岳部の職人が作る手編みの箒、スペイン統治時代に伝わった手織りのブランケットなど、日本では知られていないフィリピンの手仕事の製品をご紹介しています。「和漢の境を紛らわす事肝要肝要」という村田珠光の思想を軸に、他の文化が織り交ざった和の暮らしや価値観を提案しています。
四畳半商店の扱うフィリピンの製品は、様々な地域から来ていますが、今回はミンドロ島の先住民族であるMangyan族について、お話しします。ミンドロ島のMangyan族はスペイン植民地以前から住んでいた人々で、現在も八種族のMangyan族が山地で自給自足の暮らしをしています。山に元々の住んでいたわけではなく、タガログ人の侵入に追いやられ、山岳部に逃げていったのが事の始まりです。現在では自生する蔓などの植物を使い、生活資金を得るためにカゴなどの編み細工を製作しています。Mangyan族の教育支援を行うフィリピンのNGOの製品を四畳半商店では扱っており、Mangyan族の大学生の奨学金の支援にも繋がっています。
・山下 彩香 | プランナー / デザイナー/ リサーチャー
EDAYA 共同創業者・ディレクター
2012年に竹のデザイン/ アートプロジェクト、EDAYAを共同設立。以降、グローバル化が進む現代で、伝統の価値の再発見などを含む、イノベーションを加速すべく、アジア地域における竹のクリエイティブ・デザインプロジェクト主導。全体的な戦略的ビジョン構築に携わり、製品とプロジェクト両方のデザインに関わってきた。
EDAYAでは、竹を媒体として、文化の活性化や保存ための、革新的な手法やアイディアを打ち出している。東京、カリンガ、そして工芸と民芸の分野でユネスコが認定する創造都市となったばかりのバギオに拠点を置き、ジュエリー(ソーシャルプロダクツアワード2016受賞)や楽器、インスタレーションなど、文化的なインスピレーションを携えたコンテンポラリーな竹のアートの創作や、竹が重要な役割を果たすソーシャリー・エンゲージド・アートの構築を行っている。他に、地元の竹文化の現地調査を行い、日本とフィリピン、ミャンマーの人々と共に、多文化間での竹を使った教育モジュールを開発するなどもしている。
東京大学農学部国際開発農学専修、東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻修士課程を卒業。2015年、AERA(11/16号)にて「マイノリティを輝かす種まき人」として「21世紀をつくるニッポン人」のひとりとして紹介された。2017年には、EDAYA初のアートブック「わたし」と「社会」のリ・デザインを発表。2018年、内閣府主催「つなぐ、架け橋 アジア・太平洋で活躍する女性起業家たち」に選出、パネリストとして登壇。
・出口 麻紀子 | デザイナー/ アートディレクター/ ヨガインストラクター
MOON NEST 主宰
広告業界で長年グラフィックデザインに携わったのち、3.11を機に生き方を見直し、かつ自身が大量生産・消費を促進してきた反省からフェアトレードに興味を持つ。
People Tree商品開発部でのインターンを経て、2015年から青年海外協力隊でフィリピン・ソルソゴン州の貿易産業省へ派遣。現地の手工芸品を生業とする中小零細企業のデザインや品質改善、販路拡大などの支援に従事。
武蔵野美術大学と協力して地元ブランド「Kalikasan Sorsogon」の立ち上げをし、フィリピン国内最大の国際展示会Manila Fameで自身のデザインした製品が「Best Eco Product Award」を受賞、他製品もMAISON&OBJETのデコレーションに買い上げられたほか、生産者団体の収入向上やエンパワメントに貢献した。
フィリピンでの経験で、地域の最大の課題が気候変動で増加する台風による原材料への被害や価格の高騰により、貧困層ほど原材料が買えずに生産もできないことから、環境への問題意識を持つ。
持続可能な社会のデザインを探るベく、帰国後は東京農業大学 食料国際食料情報学部 食料環境経済学科の研究生として、地域研究をしている。かたわら環境やフィリピン支援、国際協力系のNGOから業務委託などを受けフリーランスとして働く。
ヨガは8年以上実践し、2017年にインドのKerala州でインド伝統の古典ヨガをベースにしたスタイルSiva raja yogaのインストラクター資格、全米ヨガアライアンス200を取得した。
自然と人、人と人、心と体、さまざまに分断された関係を結び直すありようを、イベント開催などでも提案しながら模索中。
Instagram @coco_moonnest
facebook @lookingforthemoon